研究内容

摩擦プロセスの不安定性の学理と安定化技術

自動車用エンジンの電動化による劇的な静粛化などを背景として、摩擦により生じる振動(スティックスリップ)と異音(グローン・スキール)の抑制が産業界から強く望まれています。安全で快適な生活環境を担保するために、摩擦プロセスの安定化がキーテクノロジーとなる時代に突入します。本研究室では、摩擦力の自律的な回転により摩擦プロセスを安定化する独自の制振原理(ミスアラ制振法:Kado & Tadokoro & Nakano, 2013)を発明し、特許第6159509号を保有しています。動的固着理論の着想点でもあり、制振のための付加装置を必要としない本原理を技術移転するために、埼玉大学の 田所 千治 准教授(中野研OB)ならびに産業界との緊密な連携の下、様々な機械システムにおける社会実装の形態を探求しています。


角 直広, 田所 千治, 中野 健, 摩擦振動が生む動摩擦係数の計測誤差, 日本機械学会論文集C編, 79, 2635-2643 (2013).

N. Kado, C. Tadokoro, K. Nakano, Kinetic friction coefficient measured in tribotesting: Influence of frictional vibration, Tribology Online, 9, 63-70 (2014).

C. Tadokorko, T. Nagamine, K. Nakano, Stabilizing effect arising from parallel misalignment in circular sliding contact, Tribology International, 120, 16-22 (2018).