研究内容

環境調和型摩擦プロセスと超潤滑の学理

地球規模のエネルギー問題を背景に、あらゆる機械の省エネルギー化が強く望まれています。例えば、世界で毎年約8000万台も生産される自動車のエネルギー損失のうち、約30%は摩擦プロセスが原因との試算もあり、その低減が強く望まれています。よって、材料科学の進展により生まれた超潤滑材料(摩擦係数が1/100を下回る材料)への期待が高まっています。本研究室では、京都大学の 辻井 敬亘 教授ならびに産業界との緊密な連携の下、 硬質なダイヤモンドライクカーボンをはじめとして、軟質なポリマーブラシセルロースナノファイバーなど、種々の新材料が発現する超潤滑プロセスの学理を探求し、社会実装を視野に入れた研究に取り組んでいます。


M. Miyazaki, K. Nakano, C. Tadokoro, S. C. Vlădescu, T. Reddyhoff, S. Sasaki, Y. Tsujii, Enhancing durability of concentrated polymer brushes using microgrooved substrates, Wear, 482-483, 203984 (2021).

H. Okubo, H. Hashiba, T. Inamochi, K. Sato, S. Sasaki, K. Yamada, K. Nakano, Novel environmentally superior tribomaterial with superlow friction: 100% cellulose nanofiber molding, Tribology Letters, 71, 83 (2023).

H. Okubo, D. Kagiwata, K. Nakano, Y. Tsujii, Layered structure and wear mechanism of concentrated polymer brushes, Langmuir, 39, 18458-18465 (2023).