研究内容

摩擦プロセスのオペランド計測と可視化技術

二つの固体面が接触する摩擦面は、一般に直接観察することができません。不可視であるというこの現実が、摩擦プロセスの科学と技術の進展を阻む大きな要因の一つです。そこで、本研究室では、摩擦面の可視化技術の開発にも注力しています。その一つの形として、摩擦面の潤滑状態を非破壊で電気的にモニタリングする手法(電気インピーダンス法:Maruyama & Nakano, 2018)を発明しました。この計測技術は、日本精工株式会社の 丸山 泰右 博士(中野研OB)らにより機械要素への実用化が進められていると共に、本研究室でも自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI)との緊密な研究連携の下、次世代電気自動車のための最先端計測技術を開発しています(→実験設備)。


K. Nakano, Y. Akiyama, Simultaneous measurement of film thickness and coverage of loaded boundary films with complex impedance analysis, Tribology Letters, 22, 127-134 (2006).
T. Nihira, K. Manabe, C. Tadokoro, S. Ozaki, K. Nakano, Complex impedance measurement applied to short-time contact between colliding steel surfaces, Tribology Letters, 57, 29 (2015).

T. Maruyama, K. Nakano, In situ quantification of oil film formation and breakdown in EHD contacts, Tribology Transactions, 61, 1057-1066 (2018).